絵馬ブログ

絵馬、絵馬堂についてのブログ。ほぼ月一回更新。/筆者:佐藤拓実/訪れた絵馬スポットの数:54(番外編:6)/ツイッター @EMA_blog_

2018-01-01から1年間の記事一覧

延壽寺日荷堂の履物絵馬

根津駅から谷中方面へ向かって坂を上ると、だんだん寺院の多いエリアに入っていく。日荷堂(にちかどう)へ行くには15メートルを超えるヒマラヤ杉が目印になる。 上野戦争でも焼けずに残った山門をくぐる。右手にお堂があり、これは明治四十四(1911)年の建…

石狩弁天社の絵馬(ある2枚の武将絵馬について)

石狩弁天社は元禄七(1694)年の創建。北海道でもかなり古い部類の神社なのではないか。この地域独特のチョウザメの神である「妙鮫法亀大明神」、通称「鮫様」「鮫さん」のほか、稲荷大明神などを祀っている。鮫様は鮭漁の神で「チョウザメは石狩川の主であ…

笹野観音堂の絵馬と奉納物

山形県米沢市の笹野にある笹野観音堂は、正式には真言宗豊山派長命山幸徳院笹野寺といい置賜三十三箇所霊場第十九番札所である。 バス停から降りてまっすぐ10分ほど歩くとこの仁王門に突き当たる。 大きな下駄や草履が奉納されている。 門を潜って振り返ると…

(番外編)川越大師喜多院の五百羅漢像

成田山川越別院のすぐ近く、建物の多くが重要文化財に指定され、徳川家とも縁の深い喜多院。通称、川越大師。 境内の五百羅漢像は1782(天明2)年から1825(文政8)年の間に建立された。中央には釈迦如来と脇侍の普賢菩薩と文殊菩薩、左右には阿弥陀如来と地…

成田山川越別院本行院の額堂

西武線本川越駅から歩いて20分ほど、川越大師喜多院の近くに成田山川越別院本行院がある。 開基は1853(嘉永六)年、石川照温師による。師は1805(文化二)年生まれで、様々な困難に遭う中で三度自殺を計るも果たせなかったのは神仏に見捨てられていないから…

(番外編)石浦神社の弁慶彫刻

石浦神社は兼六園のすぐ横、金沢21世紀美術館の向かいにある。祭神は大物主大神など。金沢最古の宮として古くから信仰を集め、平安時代の法令集である延喜式に載っている式内社の三輪神社の後裔とされる。奈良時代には神仏習合となり石浦山慈光院長谷寺と改…

絵馬考① 絵馬とは何か

(旗岡八幡神社にて) ・絵馬とは何か? 誰しも一度は、初詣や旅先で訪れた寺社で、試験合格や健康を祈願した内容が書きつけられた板が境内の一角にいくつも連なってカラカラ音を立てながら風に揺れている、そんな風景を見たことがあるでしょう。 絵馬とは一…

旗岡八幡神社の絵馬殿

東急大井町線の荏原駅から歩いて数分、旗岡(はたがおか)八幡神社に来た。長元三(1030)年に平忠常の乱を治めるべく朝命を奉じた源頼信公がこの地に宿営し八幡大神を祀ったのを同社の発祥としている。源氏の白旗をなびかせ武威を誇ったことから「旗岡」「旗の…

加賀市橋立の北前船の里資料館の船絵馬

石川県加賀市橋立は北前船の船主の集落だったところで、日本一の富豪村と言われていたとか。 加賀市を含む全国11市町の共同申請による、北前船に関するストーリー「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間 ~北前船寄港地・船主集落~」は、平成29年4月28日付…

(番外編)鞍馬寺の奉納額

鞍馬寺に行った。詳細は別の記事に。→(2018年1月の京都①(鞍馬山) - こたつ島ブログ) 由岐神社の拝殿。 山の上の本殿。 本堂脇に少しだけ額があった。天狗の絵がよい。 絵馬類は霊宝殿(鞍馬山博物館)にもたくさんあるのだろう。この時は冬季休館中だっ…

安井金比羅宮の金比羅絵馬館(2018年現在閉鎖中)

八坂神社から歩いて10分くらいの安井金比羅宮。縁結びと縁切りの神社として人気だが、絵馬堂を資料館のようにした「金比羅絵馬館」があると聞いたので行ってみた。しかし老朽化のためか休館中だった。2015年から休館しているらしい。ホームページにも一応出…

太宰府天満宮の絵馬堂

太宰府天満宮について込み入った説明は不要だろう。全国約12000社と言われる天満宮や天神社の総本宮であり、菅原道真公の御墓所の上に造営されている。 初耳だったが、菅原道真公は学問の神様であるだけでなく文化の神様とされている。宝物館には五万点もの…

網走神社の船絵馬

網走神社は文化九(1812)年、場所請負人(松前藩から委託されアイヌと交易を行ったりアイヌを使役して漁業を行う商人のこと)の藤野四郎兵衛が網走川河口に漁場鎮護のため小祠を建立したのを創始とする。道内沿岸部には場所請負人が建立した神社がよくある…

御香宮神社の絵馬堂

御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)は安産の神として広く崇められている。創建年は不詳。貞観四(862)年に、境内から「香」の良い水が涌き出たので清和天皇より『御香宮』の名を賜ったのだという。豊臣秀吉は伏見築城に際して鬼門除けの神として崇め、徳川家康…

八坂神社の絵馬堂

祇園祭で有名な八坂神社にも絵馬堂がある。全国的に見ても大規模なものだと思うが、屋根の下は物置のように使われており立ち入り禁止になっている。 最近になって掲げられた絵馬も目につく。 七福神が描かれている。 「満涸瓊」とある。海幸彦・山幸彦の神話…

北野天満宮の絵馬所

北野天満宮は言わずと知れた全国の天満宮や天神社の総本社で、太宰府天満宮と並び天神信仰の中心地だ。行った日はちょうど雨が降っていた。 実は北野天満宮は二度目の参拝で、数年前に私が絵馬堂に興味をもったきっかけがここの絵馬所でもある。なんだか少し…

鳥辺山妙見宮智積院の絵馬堂

東山五条の交差点から、大谷本廟へ至る道と平行に走る坂を上っていく。この道をまっすぐ行けば清水寺まで続いているはず。いくつかの墓石屋を過ぎ、墓地へと入っていく。途中にはかの肉弾三勇士の墓もある。 坂を登り切らないうちに道の左側に妙見宮の鳥居を…

(番外編)京都ゑびす神社の神馬

日本三大えびすの一つに数えられる京都ゑびす神社の前を通りがかった。これも何かの縁と思い参拝する。 鳥居の上に掲げられた熊手はよく見ると小銭を投げ入れるようになっている。 本堂の脇には立派な歌仙図が。 血管などリアルでちょっと怖いくらいの神馬が…

(番外編)建仁寺塔頭禅居庵摩利支天堂の額

ふと立ち寄った摩利支天堂に猪が描かれた額が奉納されていた。 ◯臨済宗建仁寺塔頭禅居庵・・・京都府京都市東山区大和町大路四条下4小松

藤森神社の絵馬舎

藤森神社(ふじのもりじんじゃ)は、摂政三(203)年、神功皇后が新羅より凱旋ののち、旗を立て、兵具を納め、塚を作って神祀りをしたのが起こりである。 日本書紀の編者である舎人親王をお祀りしていることから、学問の神様という側面ももつ。 5月5日の「藤…

(番外編)船岡山建勲神社拝殿の織田信長公三十六功臣額

建勲は「たけいさお」と読む。織田信長と織田信忠を祀る神社。今宮神社の近くの船岡山にある。明治二(1869)年に天下統一や朝儀復興などの功によって神社創立の宣下があり、創建。もともと秀吉が信長の法要を営んだ大徳寺も近く、船岡山に信長の霊を慰める…

紫野今宮神社の絵馬舎

紫野今宮神社は、本社の祭神が事代主命(ことしろぬしのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、疫社が素戔嗚尊(すさのおのみこと)だ。 この地には平安建都以前より疫神を祀る社があったといい、平安京で行われた…

松ヶ崎の白雲稲荷神社拝殿の絵馬

通りから松ヶ崎大黒天の鳥居をくぐってまっすぐ進むとこの風景に突き当たる。左手の道を進むと大黒天、すぐ右手にあるのがこの白雲稲荷神社だ。 わずかに手水舎と拝殿、本殿しかない神社だが趣が感じられる。拝殿は京都御所から下賜されたものだというから由…

松ヶ崎大黒天(妙円寺)の絵馬堂

地下鉄烏丸線から道に迷いながらあるくこと約20分。小槌のマークの灯篭があった。 ちょっとシーサーのような雰囲気のある狛犬。 松ヶ崎大黒天は山号を松崎山、寺号を妙円寺といい、江戸初期開創の日蓮宗寺院。ご尊像は伝教大師(最澄)の作だという。 ここの…

松ヶ崎の新宮神社拝殿の絵馬

地下鉄烏丸線の松ヶ崎駅で下車。松ヶ崎大黒天に向かう途中で見つけ、ふと立ち寄ってみたのがこの新宮神社だった。 かつて大比叡大明神と称した、旧松ヶ崎村の産土神である。村の日蓮宗改宗の時、熊野新宮より諾冊二尊を勧請し新宮大明神と改称した。妙泉寺の…

宗吾霊堂薬師堂の額と奉納物

義民・佐倉宗吾を祀る宗吾霊堂の境内には薬師堂がある。そこにはたくさんの額が奉納されていた。 (宗吾霊堂については以前詳しく書いた 宗吾霊堂 - こたつ島ブログ) 危険な事業を成し遂げた宗吾にあやかって、鳶や火消し関係の信仰が篤いという。やはり纏(…

王子稲荷神社の絵馬(鬼女の図)

王子駅から王子稲荷へ向かう。参道を歩いていくと、出店がたくさん出ていた。良く晴れてあたたかい。今日は二の午だ。「関八州の稲荷神社の惣社」といわれる王子稲荷神社では、二月の初午と二の午に「火除けの凧」が授与される。それを目当てに多くの参拝者…