石浦神社は兼六園のすぐ横、金沢21世紀美術館の向かいにある。祭神は大物主大神など。金沢最古の宮として古くから信仰を集め、平安時代の法令集である延喜式に載っている式内社の三輪神社の後裔とされる。奈良時代には神仏習合となり石浦山慈光院長谷寺と改め、 江戸時代には石浦山王や石浦大権現などとされ、明治の神仏分離令により 石浦郷の地名をとり石浦神社と改称した。歴代金沢藩主や、社地が屋敷地内にあった縁から藩老五万石の本多氏の庇護を受けた。
(参考:http://www.ishiura.jp//https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E6%B5%A6%E7%A5%9E%E7%A4%BE)
由緒正しい神社だが、ゆるキャラの「きまちゃん」がいる。きまちゃんは2017年のゆるキャラグランプリでなんとエントリー番号が777番だった。
拝殿の正面に彫刻がある。
わりあい薄い板に彫刻されていて、レリーフといったほうが正しいかもしれない。大津絵のようにデフォルメされたギョロ目の弁慶が鐘を引っ張っている。これは、僧兵だった弁慶の怪力を示す「釣鐘弁慶」とか「弁慶の引き摺り鐘」と言われる話に基づいている。
作者は加賀藩士の武田秀平(1772~1844)。多種多芸で、彫刻には友月、陶器には民山の号を用いた。特に、青木木米が京に戻った後で春日山で窯を再興し、民山窯を開いたことは九谷焼の歴史上重要で赤絵九谷の元祖とされる。
(参考:https://kotobank.jp/word/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E7%A7%80%E5%B9%B3-1088580/
http://www.crafts-hirosaka.jp/kougei/i_kutani/index_2.html)
奉納者?の名前は「宮地次右門」「石塚長武」と読める。本多家家臣に宮地という家があるので、それと関係があるかもしれない。
(参考:https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180609231839.pdf?id=ART0009305095)
絵馬ではないけれど、木彫のレリーフを額装して絵馬のように奉納した例はいくらでもあるので、それに類するものと捉えていいのではないか。