駒形観音堂 奥の院(元観音堂)の石絵馬
はるばる千葉市稲毛区の駒形観音堂奥の院にやってきた。「駒形大仏」という江戸時代に鋳造された大仏はここではなく別の少し離れた場所にある。ここは奥の院である。
(駒形観音堂 千葉市観光情報サイト:http://www.chibacity-ta.or.jp/spots/komagatakannondou)
鳥居をくぐっていくと、林の中に石絵馬がずらっと並んでいるのが目に入る。右手には小さな馬頭観音堂。あたりには小さな石碑がいくつもある。いかにも村のお堂という感じだ。
掲示されていたパンフレットによると、 この「奥の院」は鷹狩りの最中に傷ついた三代将軍徳川家光の愛馬を葬った観音堂で、その愛馬は家光の身代わりになったとも言い伝えられている。
同じくパンフレットによると、ここの石絵馬は近在の農耕馬などの健康を祈願するために奉納されたらしい。
にんじんがお供えしてあって少し笑ってしまった。
台にも馬の絵が。
さて、石絵馬を見ていく。
タイルのようにコンクリートですっかり埋め込まれている。裏面が見えないのが残念だ。こうなる前はどのように奉納されていたのだろうか。ちなみに施工は平成七年とあった。
これほど多くの石の絵馬を一度にみることはなかなかないだろう。ほとんどの馬は駆ける様が彫刻されている。陰刻より陽刻のほうが少し多く、馬の頭の方向が右のものと左のものがある。よく見ると着色されていたりと、細かな違いがある。
図像のパターンから想像するに、これらの石絵馬を作った石工は一人や二人ではないだろうが、そう多くはない気がする。