御靈神社(上御霊神社)の絵馬所を見てきた。京都市内のやや北に位置し、地下鉄では烏丸線鞍馬口駅が最寄り。相国寺や大谷大学とも近い。
京都府神社庁のウェブページによれば、延暦十三(西暦794)年5月、崇道天皇(早良親王)の神霊を今の社地に祀ったのが神社のはじまりだという。境内には応仁の乱の石碑(畠山政長が御霊の森に陣をしき畠山義就と戦いを交えたのが乱の発端とされるため)、松尾芭蕉の句碑、司馬温公甕割の故事に由来する「清明心の像」などがある。
絵馬所は宝暦年中(西暦1751~1764、江戸時代中期)に寄進された内裏賢所権殿をつくり改めたもので、皆川淇園、小林雪山などの著名画師の作品が掲げられているとのこと。ちなみに平成二十八~三十(2016~2018)年12月まで絵馬所は修復工事が行われていたようで、私が以前訪れた際は絵馬所を見ることはできなかった(詳細は後述)。
・参考
http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/02/004/
https://www.fujingaho.jp/culture/a67746/node-19488/
・境内の様子
神社の近くにある時計がはまった石碑。
社地の西側に建つ鳥居。
鳥居前の石灯籠。「従五位上大炊頭春原元善」。
楼門。
手水鉢の前にはアルコールスプレーが。
境内南側の門を入るとある手水鉢。
拝殿。
神楽殿。生け花もある。
境内の倉。
東側から反時計回りに絵馬所の周囲を巡ってみる。
非常に立派な造りだ。内裏から下賜され改築された建築だけのことはある。
外壁にも絵馬がいくつか掛かっている。以下、東側の壁面から見ていく。
抽象画のようになってしまっているが、右側に書かれた巴紋とその上の太陽のシンボルで雅楽の大太鼓(だだいこ)と分かる。
二人の御者と馬がうっすらと見える。
ほぼシルエットになった二人の御者と馬。
北側の壁面は一面の大絵馬に覆われている。全国的に見ても大きい部類の絵馬なのではないか。図柄はよく分からない。
馬に乗り槍か長刀を振り回す武者の大絵馬。左に文化もしくは文政という年号が見える。
奉納額がほとんどだ。
大きな羽子板。安政三(1856)年に奉納されたもののレプリカ。
六歌仙。
梁に網が架けられて絵馬が乗っかっている。かつては絵馬所の内部に掲げられていたのだろう。どんな絵や字が書かれているのか気になる。
日本画家の由里本出氏の筆によるの小絵馬。干支二回り分24枚ある。
衣笠泰介氏によるカラフルな現代の絵画。絵馬所修復を機に奉納されたらしい。
絵馬所で一番立派な絵馬。
雅楽の舞人を描いたものか。
網に覆われた絵馬。
梁に上げられた絵馬。「文政八乙酉年九月掬?日 願主 泉」・・・
絵馬所の修復の報告。
修復事業の説明。平成三十年までは絵馬所、令和二年十月は四脚門、令和四年は楼門。
・まとめ
改修された絵馬所を見ることができた。あまり絵馬がなかったのが残念だが、立派な建築を見るだけでも行く価値があるだろう。真新しい奉納物からは現代の氏子崇敬者との関係性もわかる。
〇御靈神社(上御霊神社)・・・京都市上京区上御霊前通烏丸東入上御霊竪町495番地